<数年前に見た最初の夢> 私はある学校に所属している。 緑の山に囲まれた田舎の学校で、今日はあるパーティが開かれる。 会場はは体育館のようは広い場所だ。 ステージには司会者と数字が表示されるパネルがある。 パーティの内容は簡単だ。 100人を越える中から司会者何人かのをくじでランダムに選び出し、 選ばれた人は罰ゲームを受ける。このゲームの楽しみは、自分が 罰を受けなかったという愉悦感とスリルだけだ。 私はそのゲームに参加した。 パネルに数字が表示されるたびに が、最後の最後で私の名前が呼ばれてしまった。 罰ゲームとは、腕や足を切り落とすことだ。 こんな恐ろしいことが容認されているのも、校長がかなりの有力者だかららしい。 この校長はこのゲームが大好きだ。彼の発案なのかもしれない。 ちなみに切り落とした腕や足は、必ず病院で手当を受けてもらって 無料で義肢や義足が付けられる。これは非常に有能な出来で 生活には殆ど支障がない。ただ、それが自分の肉体でなくなってしまうだけだ。 本当にこのゲームの愉悦感というものは魅力的で、中には腕や足を全て失ってまで 参加する人もいるのだ。 名前が呼ばれたからといってすぐに切られる訳ではない。 しばらく友人や先生、家族と話す時間が与えられる。まるで走馬灯のようだ。 彼らの私に対する態度は、どうも処刑される私へ別れを告げるように思えてならない。 死ぬわけではないとわかっているはずなのに。 友人の中には、私を誘ってしまったからこういうことになってしまったと嘆くものもいた。 でも彼も、ゲームなのだから仕方ないとどこか冷めた感じもする。 罰ゲーム執行直前。だれかのスピーチが読み上げられ、参加者はショットグラスに入れられた酒を飲む。 私はそれを飲むことが出来たのかどうか覚えていない。 選ばれたものはすべてステージに立たされ、なぜかギロチンの装置のようなもので首を固定される。 注射を打たれたのか、突然眠ってしまった私は罰を受ける瞬間の記憶はない。 愉悦感を楽しみたい者は、切断するまでをみているはずだ。 気がつけば病院にいた。私の右腕は無く、義手がはめてある。 手首だったか、ひじの辺りだったか、よくわからない。 しばらく感覚は全くなかったが、時間がたつにつれて感覚が戻ってきた。 本物そっくりだ。そして腕と義手の境目を対称線にしてよくわからない刺青が入れてあり、 その上に白いテープが巻かれている。 このテープをゆっくりはがすと、その下の部分はまだ傷が癒着していないようで、 ペリペリめくると赤白い皮膚がやぶれ、なかから内臓のような物体がでろでろと流れてくる。 気分が悪くなる。私は内臓が落ちて戻らなくならないうちにテープを慎重に巻き戻した。 電車の中。村や山脈に囲まれた小さな電車でどこかに向かっている。 なかには同じ罰を受けた友達や、あのゲームに無事生き残った人たちが同乗している。 同じ境遇をくぐり抜けた連帯感と不気味な恐怖が私達をつつんでいる。 世界が白くなる。頭の中で謎のフレーズがこだまする。 きみがすききみがすききみがすき -------------------------------------------------------------------------------- -------------------------------------------------------------------------------- <2回目の夢 6/20 6:00〜8:27> 始めの夢とほぼ同じ設定である。 が、いくつか違う点もあった。 どうもあの夢から数年後のようだ。 舞台は地上ではなく海で、船の上でパーティが例年のように開催される。 途中天候が悪くなり、何人かがゲームを途中放棄する。 私は2度目の参加であったが、どうやら今回は難を逃れたらしい。 親しい友人Aと、別のクラスの女の子が指名された。 その女の子は面識はなかったが、クラスの掲示物を一生懸命作っていた 活発な子で、選ばれてしまったことが非常に悲しく思える。 私は怖くて最後までいられず、切られてしまうところは見ないまま帰った。 帰りの電車、中学校の仲間と再開して、友人Bが選ばれたことと、 (今考えればAとBで言い間違えているのだが) 昔自分が罰を受けたことを告白する。みな驚いていた。 証拠に私は腕をめくると、女の子が悲鳴を上げる。テープをはがすと あの内臓がでてきそうになる。もう自分が義手であることを 忘れかけていたくせに、こういうくだらないことは覚えていたのだ。 気分が悪くなり、テープを再びまく。 電車の外は真っ暗で、どこにいるのか、どこに向かっているのかわからない。 ふと周りを見ると、電車のなかには一度目の夢でもあったことのある (現実では見覚えの無い)前回の生き残りメンバーと犠牲者がいたのだ。 やはり、あの連帯感と恐怖がまたひしと感じられるのであった。 世界が白くなって頭の中でまたあのフレーズがこだまする。 きみがすききみがすききみがすき -------------------------------------------------------------------------------- 思い当たる節 ・ゲームの下敷きは、福本信行の『賭博黙示録カイジ』に似ているように思います  しかし2度目はともかく、一度目の夢はまだカイジを読む以前だったような  気がするのですが、あやふやで不確かです。 ・一昨年バイトでガス台を洗っていさいに、熱くなっていたぶぶんが手首に触れてしまって  まるでリストカットしたかのような形のヤケドをしました。当時は膿が出て  非常に気持ち悪かった記憶があります。思いかえれば、夢に出てきた切断の部位と  ヤケドの位置は似ているような気がします。しかしバイトのヤケドは始めの夢を見た  あとの出来事だったような、わかりません ・今考えていて、本当に一番目の夢を見たのかわからなくなってしまいました  もしかしたら夢の中でそんな夢をみたと思い込んだだけなのかもしれません  しかし、2度目の中と今の記憶では、確かにあの一度目の夢はあったように思えてならないのです